第3章 建ぺい率と容積率について

建ぺい率について 建ぺい率とは敷地に対する建築物の水平投影面積の割合のことです。商業系の敷地だと60%〜80%と、かなり敷地一杯に建てる事が出来ますが、住環境を重視する住居系でこのような割合にすると誰にでも解る事と思いますが、採光、通風等の環境が悪化する事は一目瞭然です。だから住居系の建ぺい率は30%〜60%に押さえられているという具合に用途地域によってその割合が定められています。
また、建ぺい率は各特定行政庁によって定められているので全国どこでも同じという物ではありません。
これによって定められた建ぺい率にも、その敷地が属する地域によって様々な特例や緩和があります。

■特例・緩和をすべての用途地域について掲載すると大変なので、ここでは住居系のみを記載します。

1)角地 
  敷地が2面以上の道路に接した角地である場合、10%が加算されます。
2)防火地域内の耐火建築物
  地域には用途地域とは別に防火地域、準防火地域、指定外地域という、防火に対する建物規制をし
  ている地域があります。この場合、一般的な木造はこの対照にはなりませんが、耐火建築物となる
  鉄筋コンクリート造の建物や鉄骨造の建物(ただ単に鉄骨造であるというのは含まれません。それな
  りに耐火建築物と認定される仕様が必要)にすれば10%が加算されます。
  耐火建築物でも防火、準防火指定の区域外である場合は緩和されません。
3)よって上記1)及び2)がどちらも当てはまる場合は、当然20%が加算されます。
4)敷地が制限の異なる2以上の地域にわたる場合
  この場合、それぞれの地域ごとに算出した建築面積の合計が、その敷地全体についての限度となり
  ます。
5)敷地が防火地域の内外にわたる場合
  敷地建物のすべてが耐火建築物であれば、敷地はすべて防火地域内にあるとみなされ、緩和が受け
  られます。
何処までが建築面積に入るのでしょう? 建築面積とは「建築物(地階で地盤面上1m以下にある部分を除く)の外壁またはこれに代わる柱の中心線(1m以上はね出す庇等はその先端から1m後退)で囲まれた部分の水平投影面積による。」とありますが、これだけでは皆目解りませんよね。実際には色々な細目が決められているので、ここに一部ご紹介しておきます。
建築面積は基本的に床面積の部分+ポーチやベランダ、庇等で柱と屋根がある場合はすべて算入されます。だから玄関ポーチなどで柱の無い場合は算入されませんが、それも1mを越えるとその先端から1m後退して残る部分を算入しなければなりません。一般的に考えると、壁も無いのに面積に算入されるというのは不思議な感じがするかも知れませんね。また、おかしな話ですが柱と梁、または壁で囲まれた物(フレームみたいな物と想って下さい)で屋根の掛かっていない物は建築面積には算入されないのです。三方を壁で囲われたゴミ置き場などは、屋根の無い場合は面積の発生が無く、屋根を付けると途端に面積に算入されるのです。だから駐車場や物干場なんかも屋根があると面積に算入されます。解りやすく言うと、屋根の影を落とす部分があれば算入されるという事です。


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