■不同沈下の起こる原因

 造成地・宅地の多くは盛り土をしています。自重で締め固まって沈下して落ち着いた状態になるまでには何年も掛かります。また、土は重いので、その下の地盤が軟弱な場合はその下が沈下したりもします。        宅地は転圧といって人為的に締め固めをしますが、それが不充分な場合沈下します。これを圧密沈下といいます。圧密沈下は不均等に起こります。その為、上に建っている建物が傾くのが不同沈下です。

すべてが盛土の場合

盛り土は本来、30p程度敷き均し、転圧してはまた30p敷き込むといった工程で施工されるのが理想的なのですが、これをすると手間が掛かるので、造成業者が一気に盛土をした場合、こういう事態が起こります転圧が足らないと、土は自重で沈む訳です。 盛土の高さや質にもよりますが、安定するまでに最低でも3年は掛かると言われています。
ひな段造成等の場合

ひな段造成など切り土と盛り土が混在しているような場所、または昔水路などがあった場合など、盛り土が不均等な場合は不均等に沈下します。転圧不足の場合は特に盛り土の高さによって圧密による沈下量が不均等になり、障害が出ます。
擁壁の裏側部分について

コンクリートの擁壁は、工事の時点で裏側をかなり掘らないと施工が不可能であり、必ず後で埋め戻されています。また、元々から地山のなかった部分に、擁壁を造って盛り土されているケースもあります。その為、図のように固い所と柔らかい所があり、両方にまたがって家を建てると傾く可能性があります。
悪徳業者の場合

ひどい話ですが、埋め戻し土にガラ(建築廃材)を混ぜて廃棄費をごまかす業者がいます。当然、ガラが腐ったり、ガラの間に土が流れ込むと沈下します。建築廃材は、いまや環境問題の一番大きな部分です。廃棄費が妙に安い業者は、何がしか怪しいと思ってよいと思います。造成業者が埋める場合もあると聞くので注意が必要です。
                  
★自分で出来る地盤チェック


地名
  
昔からある名前をチェック。地形を名前にしてる場合がある。特に「水」にからむ文字が入っている場合は要チェック。逆に山とか台とか丘(岡)などは良い地盤の可能性あり。
地形の表現 水・川・谷・沢・河・池・沼・淵・瀬・江・久保(窪)
水に密接なもの 田・畑・井・堀・堤・船
水に住む動物 鶴・亀・貝・鷺・鴨
水辺の植物 蓮・荻・蒲・柳
各種情報   1.インターネット  (ジオテック等、リンクページ参照)、
2.地図        (古地図、等高線行政発行の防災地図等)、
3.地盤調査(近隣のボーリングデータ) 
 市役所建築課構造係に行くと、ボーリング調査のデータを収集していて、地区ごとに整
  理されてあり、閲覧を要請すれば見せてもらえます。敷地に近いデータが幾つかあれ
  ば、目当ての土地もそのデータにほぼ近いと考えて良いでしょう)
周辺調査 周辺に水場はないか、暗渠となってる地下水路がないかなど。
不同沈下してる近隣の家はないか調査してみましょう。
屋根の棟の線が波打っていたり、窓や床下換気口の隅から斜めにひびが走っている場合は注意が必要です。

敷地を
 調べる  

長さ1mくらいの鉄筋棒を用意して、敷地のあちこちに体重をかけて刺してみるのも良いでしょう。柔らかいとズブズブと簡単に入ってしまうと要注意ですし、また、ガラ等が埋まっている場合はガリガリした手応えがあります。
表面の水はけや柔らかさにも注意。雨の日に行くと解る場合もあります。スコップで20〜30cm掘ってみて柔らかかったり、水が出たりしたら要注意です。



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