■建物の形状について■

どういった建物の形状や、平面計画の考え方をすればローコストに繋がるのでしょう?


1.表面積を小さく 材料にかかるコストは、材料の価格と表面積に依存します。同体積で最小の表面積を持つ立体は球面体ですが、直角をベースにした形で表面積が最小なのは立方体です。また、1階と2階が同形状である場合は2階部分が1階に比べて小さいものより、1階の屋根や2階のベランダ等の無い分、コストは下がります。
2.建築面積を小さく 建築面積を小さく抑えると、仮設工事、基礎工事などでコストダウンが図れます。また、傾斜地では接地面積を小さくするのが基本です。
3.階高を低く設定 落ち着きが求められる空間や小さい部屋は天井高を下げ、大きな部屋や高揚感を生み出す動的な空間は天井を高くするとうまくいきます。何事も強弱が肝心です。どこもかしこも天井が高い家は下品な感じになります。また外観も軒が低いと上品な印象を与えます。
4.平面的なかたち  方形の単純な四角い平面は、同じ床面積であっても、出っぱりや引っ込みのある平面に比べて外壁の面積が少なくて済みます。また、出隅入り隅の役物等も少なくなり、材料の減少と施工の高作業効率にも繋がります。
5.片流れ勾配屋根  木造建築で一番単純な形状の屋根は片流れ屋根です。形だけみればフラットルーフの方が単純ですが、防水の耐久性などを考えると、木造では無理があります。寄せ棟の屋根は屋根の外周4辺に樋が必要ですが、片流れ屋根にすると軒樋が一つで済みます。
6.小屋裏をなくす 断熱が十分でなかった昔の建物では小屋裏のスペースが熱の排出に重要な働きをしていました。しかし、ローコストな住宅を考えるときは、こういう小屋裏のスペースも無駄にする訳にはいきません。屋根面で十分な断熱をして、内部空間を使い切ることが重要です。
7.玄関を再考  玄関は一つの例えですが、家の中には常時人がいるわけでは無いのに、必要以上に広い面積が割り当てられている場合があります。そういった我々が当たり前に必要だと思っているスペースを他の空間と共有したり、無くしたりすることで家はコンパクトにすることが出来ます。先入観を疑ってみる態度が大切です。
8.水回りの集約  集合住宅のように規模が大きくなるほど水回りは集約する必要が出てきます。単純に配管の長さが短くなる以外にメンテナンスや改修がしやすくなります。
9.廊下をなくす 狭い家で廊下にたくさんの面積を割くのはもったいない。個人住宅なら一切廊下のない平面をつくることも可能です。
10.間仕切り・内部建具
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間仕切りや内部建具はプライバシー、通風、遮音などのどんな性能がそこに必要なのか考えましょう。よく考えると壁で4方を囲まなくても良いと言うことになるはずです。 また、将来に備えて家具を間仕切りとして使うことで充分な対応が出来、家を柔軟に使いこなせます。




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